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急増する主婦のダブルワーク、税金・社会保険がポイントになる!?

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最近ニュースで取り上げられることも増えてきましたが、今ダブルワークや副業を推奨している会社が増えています。政府や大手企業は積極的に働き方改革を進めており、ダブルワークが当たり前になるのも時間の問題ではないでしょうか。

家計を少しでも助けるため、パートやアルバイトを掛け持ちしたり、在宅ワークに取り組む主婦の方も増えていますが、「ダブルワークでお金を稼いだときに税金をどうすればいいかわからない」なんて声もちらほら聞こえてきます。

そこで今回は、ダブルワークする上で気をつけたい税金と社会保険料について解説したいと思います。

ダブルワークと副業は似ているけど少し違う

まず最初にダブルワークの言葉の意味を確認しましょう。

ダブルワークと副業はそれぞれよく聞く言葉ですが、同じ意味なのでしょうか?結論からいうと少し意味が異なります。

ダブルワークとは、本業と副業を同じくらいの労働時間・賃金で2つ以上の仕事を掛け持ちするときに使う言葉です。

一方、副業は本業に対して労働時間・賃金の割合が少ないときに使う言葉です。また副業は、趣味や興味のあることで収入を得るなど、日々をより充実させる目的で取り組むこともあります。

一般的に仕事を掛け持ちしている人は、ダブルワークという使い方をする人が多いため、この記事では2つ以上の仕事を掛け持ちすることをダブルワークと呼びます。

ダブルワークのポイントは扶養控除と社会保険料にあり!

ダブルワークをしている人が注意すべき最大のポイントは「働きすぎると税金が増えて損をする場合がある」ということです。

扶養控除の範囲は年収103万円、確定申告も忘れずに!

ダブルワークをすると、2か所以上から給料が入ります。

どこかに勤めている場合、勤務先で源泉徴収されていることがほとんどだと思いますが、複数ヶ所から給料を得ている場合、自分で確定申告を行わなければなりません。

例えばパートやアルバイトであれば、「給与所得」に該当する給料を合算して、所得税の合計額を計算します。

所得税を計算するためには、それぞれの勤務先から発行される源泉徴収票が必要となります。源泉徴収票とは、1年間の給料総額とあらかじめ給料から差し引かれている所得税(源泉所得税)が記載されているものです。

それらを確定申告Aの様式に沿って給料の欄に記入します。

また、年収が38万円(給与のみの場合103万円)を超えると扶養控除の適用外となり、38万円の控除を受けられなくなります。扶養控除の範囲内に収める場合は、家族や会社と相談してシフトを組みましょう。

社会保険の扶養範囲は130万円、その他の条件もあり

社会保険の扶養範囲は、1年間の収入(給与のみ)が130万円未満であるか否かで判定されます。

60歳以上又は障害をもっている扶養者の場合は180万円までが扶養範囲です

収入が130万円未満(月108,333円)までであれば扶養の対象になりますので、自信で社会保険に加入する必要がありません。

ただし、以下の条件を全て満たす場合は、年収130万円以下でも社会保険料の加入が義務づけられているため、該当するかチェックしておきましょう。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月収88,000円以上(年収106万円以上)
  • 勤務年数が1年以上見込まれる
  • 会社の全従業員数が500人を越える
  • 学生ではない

以上のことを踏まえて、扶養範囲でダブルワークを考えている人は年収106万円、130万円を意識してシフトを組みましょう。

2018年度から配偶者控除の範囲が引き上げられました

すでに知っている人もいるかもしれませんが、2018年度から配偶者控除の適用範囲が103万円から150万円まで引き上げられました。つまり、旦那さんが配偶者控除を受ける場合、これまでの年収103万円を超えて年収150万円まで働くことができます。

   

所得者(旦那さん)の合計所得金額
(給与所得だけの場合の収入金額)

 

配偶者の年収

900万円以下(1120万円以下)

900万円超950万円以下(1120万円超1170万円以下)

950万円超1000万円以下(1170万円超1220万円以下)

配偶者控除

103万円以下
(所得38万)

38万円

26万円

13万円

配偶者特別控除

 

 

 

 

 

 

 

 

 

103万円超150万円以下
(所得38万円超85万円以下)

38万円

26万円

13万円

150万円超155万円以下
(所得85万円超90万円以下)

36万円

24万円

12万円

155万円超160万円以下
(所得90万円超95万円以下)

31万円

21万円

11万円

160万円超167万円以下
(所得95万円超100万円以下)

26万円

18万円

9万円

167万円超175万円以下
(所得100万円超105万円以下)

21万円

14万円

7万円

175万円超183万円以下
(所得105万円超110万円以下)

16万円

11万円

6万円

183万円超190万円以下
(所得110万円超115万円以下)

11万円

8万円

4万円

190万円超197万円以下
(所得115万円超120万円以下)

6万円

4万円

2万円

197万円超201万円以下
(所得120万円超123万円以下)

3万円

2万円

1万円

201万円超
(123万円超)

0円

0円

0円

表のとおり、150万円から201万円までは配偶者控除の適用範囲です。150万円を越えた場合は、越えた分だけ配偶者控除の金額下がると考えてください。

ただし、旦那さんの合計所得金額が1000万円(給与所得のみだと1220万円)を超える場合は適用外となります。

メモ

配偶者特別控除の拡大にあわせて、旦那さんの収入によって配偶者控除の額が段階的に変わる仕組みに改正されています。
詳細については、国税庁の最新情報をご確認ください。

国税庁 - No.1195 配偶者特別控除

ダブルワークがバレたくない人は住民税に気をつける

政府がダブルワークや副業を推奨しているといえ、いまだに会社の規定でダブルワークを禁止にしている企業も多いのが実情です。

禁止されているのに他の仕事をしていることが会社にバレたらマズいですよね。では、会社にダブルワークがバレる理由と対策を考えてみましょう。

ダブルワークによって収入が増えると、所得税を多く納めることになります。しかし、ここで注目すべきは所得税ではなく住民税です。

会社が従業員に給料を支払う場合、一定の要件を満たした会社は市区町村に「給与支払報告書」の提出が義務づけられています。基本的に、住民税の決定通知書は多く給料をもらっている方の会社に送付されるので、不自然な住民税額からダブルワークに気づかれる可能性があります。

そこで、会社にダブルワークを気づかれないためには、住民性を「特別徴収」から「普通徴収」に変更することが対策になります。

特別徴収を選択すると、あなたの代わりに会社が住民税を毎月納付してくれます。会社が代わりにといっても、実際はあなたの給料から天引きで支払っているので、納める税金の額は変わりません。

一方、普通徴収とは6月、8月、10月、翌年1月の4回に分けて自分で納付する方法です。確定申告時に普通徴収を選択しておくと、住民税の納付に必要な決定通知書が自宅へ届くようになります。

この方法を利用すれば、会社にダブルワークや副業がばれるリスクを減らすことができます。

ただし、ここ最近は特別徴収にするよう呼びている地域もあります。心配な人は各自治体へ普通徴収の仕方について問い合わせてみるとよいでしょう。

税金・社会保険の相談は税務署が確実です

税金についてもっと詳しく知りたいと思う人は、公的機関である税務署の税金相談電話センターに問い合わせる方法がおすすめです。無料相談なので費用もかかりません。

2月16日~3月15日の確定申告期間は、各自治体等に無料相談センターが設置されますが、とても混雑するためおすすめしません。

この時期は、税務署も繁忙期で待ち時間が1時間以上になることもあります。所得税に関する疑問は、2月初旬までに税務署に問い合わせるとスムーズに対応してもらえます。

また、社会保険に関する質問は、自分が住んでいる都道府県の年金事務所に問い合わせます。社会保険料は都道府県ごとに異なるため注意が必要です。

国民健康保険料も市町村によって保険料率が異なるので、間違いのないように所轄する年金事務所で質問してみてください。

ダブルワークで稼ぐからこそ税金にも気をつける!

冒頭でダブルワークで稼ぐのは当たり前になると述べたとおり、これまで1箇所でしか給料を得ていなかった人も、これからは2箇所以上から給料を得るようになります。

だからこそ、税金の控除範囲や社会保険料の扶養範囲には、より一層の注意が必要です。会社員は年末調整により確定申告が免除されていますが、ダブルワークや副業をするようになると自分で確定申告をしなければなりません。

自分で確定申告をするのが不安な人や面倒だと感じる人は、税理士や社労士に手続きをお願いするのも手段のひとつです。

この記事のポイントをおさらいしましょう!

この記事のポイントは以下のとおりです

  • ダブルワークをすると、2か所以上から給料が入り、合計所得金額が38万円(給与所得のみの場合103万円)を超えると扶養控除の適用外になります。
  • 社会保険の扶養範囲は、1年間の収入(給与のみ)が130万円未満であるか否かで判定されます。扶養範囲でダブルワークを考えている人は年収103万円、106万円、130万円を意識してシフトを組みましょう。
  • 2018年度から配偶者控除の適用範囲が103万円から150万円まで引き上げられました。
  • ダブルワークがバレたくない人は住民税に気をつけましょう。住民性を「特別徴収」から「普通徴収」に変更することが有効です。
  • 税金についてもっと詳しく知りたいと思う人は、税務署の税金相談電話センターに問い合わせる方法が確実です。
  • 会保険に関する質問は、自分が住んでいる都道府県の年金事務所に問い合わせましょう。
  • 自分で確定申告をするのが不安な人や面倒だと感じる人は、税理士や社労士に手続きをお願いするのも手段のひとつです。

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